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星英雄:政治の主役は国民だ──主権者の1人として安倍政治を考える

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「ウソつきシンゾウ」──。安倍晋三首相のことを私はこう呼んでいる。「桜を見る会」も、IR汚職事件も、も何一つ説明しようとはせず国民を欺いている。それでいいのか、主権者の1人として安倍政治を考えてみたい。

安倍首相が説明責任を果たそうとしない「桜を見る会」などの問題は、国政上どんな意味があるのか。結論を先に言えば、国政の大問題だと言わなければならない。

「信なくば立たず」という。政治は国民の信頼がないと成り立たない、という意味だ。首相自身もそう言ってきた。例えば、2018年4月26日の参議院予算委員会、安倍首相は「信なくば立たず。国民の皆様の信頼を得るためには、行政のトップである私が、一つ一つの問題について責任を持って必ず全容を解明し、そしてうみを出し切っていかなければなりません」と答弁した。

やっていることはその逆だ、国権の最高機関とされる国会でのやり取りが意味をなさない。

「桜を見る会」について憲法学者らは、安倍首相が国民の税金を私物化したとして東京地検に告発した。安倍首相の後援会員や自民党関係者らを多く招いた結果、「予算規模が拡大し、国に損害を与えた」というものだ。

支持者らが「桜を見る会」に多数招待されたことはもちろん、安倍後援会が主催したというホテルでの夕食会も公選法違反の買収の疑いがある。

さらに、多数の被害者を出したジャパンライフ元会長が首相の推薦枠で招待された疑惑も解明しなければならない。

IR汚職疑獄の問題では、安倍首相が任命した副大臣が逮捕された。しかも、IR(カジノ)は安倍政権の成長戦略だ。なんのためにIRをやるのかが、問われている。IRについては安倍首相が日米首脳会談のため2017年に訪米。トランプ米大統領からカジノ大手「ラスベガス・サンズ」の日本参入を働きかけられたと、米メディアが報じた。

日本の国会質疑でも重大な事実が確認された。安倍首相自身が、米カジノ業者から「IRは有益だ」と勧められたことを認めたのだ。日本国民の犠牲で、アメリカのカジノ業者を儲けさせることが「成長戦略」とは、だれもが納得できないだろう。

なのに首相は「捜査中の刑事事件」を理由に説明を拒否し、IRを推進する方針を変えない。

河合克行前法相、河合案里参院議員の問題も重大だ。自民党の選挙は「カネまみれ」であることを鮮明にした。2人は、公選法違反の疑いで検察の捜査を受けた。驚くのは自民党本部から案里氏側に1億5000万円が振り込まれたことだ。「違法性はない」として、安倍首相(自民党総裁)はこれも説明責任を果たそうとしない。

しかし、自民党の資金には国民の税金がつぎ込まれている。自民党は参院選の2019年に、政党交付金176億4700万円の巨額を得ている。この巨額の交付金は国民の税金だ。自民党は国民の血税で、金権選挙をやっていることをどう説明するのか。

「桜を見る会」の問題では「トカゲのしっぽ切り」として内閣府の歴代人事課長が厳重注意の処分をうけた。官僚だけが責任を問われた形だ。安倍首相が問われている問題を、官僚の公文書管理の不始末にし、責任を転嫁した。森友・加計問題のときも公文書を廃棄、改ざんすることで責任追及を免れたのが安倍首相だ。

安倍政権の不都合な真実を隠すための公文書の廃棄などは、軍国主義勢力の一掃を求めたポツダム宣言を受諾した後、軍部や大蔵省などが戦争犯罪に結びつきそうな文書類を燃やし、証拠隠滅を図った歴史的事実に匹敵する。

なぜ官僚がこうも安倍政権の意図に従うのか。本来官僚(公務員)の選定、罷免は、「国民固有の権利」であり、「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない」と、日本国憲法第15条が定めていることに反する。

にもかかわらず、安倍政権では官僚の忖度、公文書の廃棄などが横行する。それは安倍政権で内閣人事局を設置し、幹部官僚の人事を掌握したことが決定的だ。官僚を屈服させることは、菅官房長官も著書『政治家の覚悟』で〈人事権は「伝家の宝刀」〉だと力説しているように、安倍政権の意図することなのだ。いわば、好き勝手に何をやっても、官僚を盾に国民の追及をかわそうとするのが安倍政権といえる。

しかしやはり、政治の主役は国民なのだ。公文書管理法は「公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」として利用できるように、「国民主権の理念にのっとり」定められた。そして何よりも、日本国憲法はその前文で「国民主権」を宣言している。

日本国憲法前文はこう述べている。「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの 子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢 を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意 し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国 民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者 がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この 憲法はかかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅 を排除する」。

「天網恢恢疎にして漏らさず」という言葉がある。『広辞苑』によれば、天の法網は広大で目があらいようだが、悪人は漏らさずこれを捕縛する。すなわち天道は厳正で悪事には早晩必ず悪い報いがある、ということになる。今日ではもちろん、「天網」を広くするのも狭くするのも主権者国民である。安倍政権を生かすも殺すも、国民1人1人が決めることになる。

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