沖縄差別・基 地・安保

川名真理:MXはきちんと訂正、謝罪をするべきです

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こんにちは、沖縄への偏見をあおる放送をゆるさない 市民有志・呼びかけ人の川名真理です。

ご存知の方は多いと思いますが、東京MXテレビが放送した「ニュース女子」(2017年1月2日)は沖縄の基地建設反対運動について、事実に基づかない内容をばらまき、視聴者に偏見をあおりました。

「日当をもらっている」「暴力集団」「県外の過激派や中国人・韓国人がたくさん参加している。沖縄の人は迷惑している」などなど。その黒幕を、人権団体「のりこえねっと」共同代表で在日の辛淑玉さんだと名指しで誹謗中傷しました。

私たちは、これについてMXに訂正と謝罪を求めて、合計34回、社前で抗議行動を続けてきた市民有志です。

この番組について、昨年12月、BPOの放送倫理検証委員会がMXには「重大な放送倫理違反があった」とし、今年3月、放送人権委員会が「(辛淑玉さんに)名誉毀損の人権侵害があった」と認めました。これを受け、7月20日、MXの社長や常務がようやく辛淑玉さんに謝罪しました。

一方、MXは3月で放送を終了したものの、番組に虚偽があったと公式に認めておらず、訂正・謝罪もしていません。侮辱され、傷つけられた沖縄の人への訂正・謝罪もありません

BPO放送倫理検証委員会の議事録によると、「番組に虚偽はなかった」という公式見解をこっそり削除し、役員報酬を減らし、考査体制の人員を増やしたことをもって収束させようとしています。同委員会も、残念なことに、これ以上、追求しないようです。

根本的な部分が欠落したMXの謝罪のあり方を事前に知った私たちは、辛淑玉さんに、MXへの手紙を託しました。少しでも伝えていただけたらありがたいと考えてのことです。そうしたら、なんと辛さんは、その全文をMXの社長や常務の前で読み上げてくださったそうです。本当に感謝しています。

▼手紙の内容▼
辛淑玉さんに謝罪するMXに伝えたいこと

番組「ニュース女子」で、辛淑玉さんへの名誉棄損の人権侵害があったことを東京MXテレビが認めたことは、当然とはいえ、大きな前進です。この間、辛さんが、ひどい誹謗中傷により日本で生活できなくなる状況に追いこまれたことを考えると言葉もありませんが、それでも、謝罪があって本当によかったです。

誰のためによかったかといえば、辛さんご自身にとってという以上に、MXや日本社会にとってよかったと考えます。MXは今回の謝罪を放送すると聞きました。いったん放送で広められた誹謗中傷は止めようがありませんが、当事者の放送局が過ちを認め、人種差別を認めない決意を社会に示すことは、なによりMXと日本社会にとって非常に重要だからです。

一方、辛さんの名誉棄損は、「ニュース女子」が沖縄の平和運動を誹謗中傷する流れの中で行われました。ところがMXは、それについては訂正・謝罪をしていません。なぜなのか理解に苦しみます。

人権侵害があったことだけを謝罪し、その土台となる「内容」が事実に基づいていないことについては訂正・謝罪しないのは、論理的にありえないのではないでしょうか。また、番組内で侮辱され、傷つけられた沖縄の人たちの名誉はどうなるのでしょうか。あざむかれた視聴者のことは考えないのでしょうか。

BPOの議事録によると、MXは「番組に虚偽はなかった」とする社の公式見解を人知れず削除し、役員報酬を減らし、考査体制を増員することをもって「対処した」そうですが、それでは、誰が、何を、どう反省しているのかがわかりません。

また、MXは私たち市民有志のことを「暴力集団」のように社員に説明し、申し入れ書も受け取らず、無視し続けています。そのことについても、非常に残念に思っています。

公共の電波を預かる企業として、MXには社会的責任があります。反省し、改めなければならないことがあると認めたのなら、それを言葉で公式に示してください。その中に訂正と謝罪が入っていることを期待しています。

2018年7月20日
沖縄への偏見をあおる放送をゆるさない市民有志

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私たちは引き続き、番組内容の訂正・謝罪、沖縄の人への謝罪をMXに求めていきます。これを読まれた皆さんも、MXやBPOの窓口にメッセージを寄せていただけると、とても力になります。

また、番組制作会社のDHCテレビは「ニュース女子」を制作し続けています。その番組を放送継続している地方局も全国にあります。

私たちはタグ「DHCわたしは買いません」や、放送継続局に放送の見直しを求めるハガキの配布もしています。見かけたら、ぜひ受け取ってください。20〜50部程度でしたら、郵送することも可能です。(細々と作っているので大量には送れません。急な対応もできませんのでご容赦ください)

最後に、辛淑玉さんは、今後、番組スポンサー・DHCと当時の番組司会者・長谷川幸洋氏(元東京新聞論説副主幹)を提訴するそうです。これは非常に厳しい選択です。

本来なら私たちが、社会の中で当たり前に人種差別・民族差別をゆるさない姿勢を毅然として取り、デマやヘイトの企業や公人を成り立たなくさせなければいけないはずです。辛さんを一人にせず、我が事として皆さんと一緒に、前後左右をおおぜいでかためて伴走していけたらと思います。

沖縄をターゲットにしたデマやヘイトは、在日の方をターゲットにしたデマやヘイトとつながっています。連携して、どんなデマやヘイトもゆるさない 、毅然とした取り組みが重要です。

長文、失礼しました。今後とも、どうぞよろしくお願いします。

(ご参考)
記者会見の動画
https://youtu.be/SHVvn6KDEVc

琉球新報の記事
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-766703.html

沖縄への偏見をあおる放送をゆるさない 市民有志
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