日本国民から巨額のカネを巻き上げている統一教会(世界平和統一家庭連合)が解散の瀬戸際に追い込まれている。国民の圧倒的多数は、統一教会の解散を求めているのだ。国民の力で、解散に追い込もう。
Q 統一教会が解散するんだって。
A 解散するかどうか、まだわからない。統一教会を解散させるには国民が政府・自民党の動向を厳しく監視していくことが欠かせない。プレッシャーをかけ続けることだ。
解散といっても法人格が剥奪され、宗教法人に与えられている税の優遇がなくなるが、団体として存続することは可能だ。それでも大打撃になることは間違いない。裁判所によって反社会的集団の刻印を押されることになる。これまで解散に追い込まれた例は、地下鉄サリン事件のオウム真理教と明覚寺の2件しかないが、統一教会はそれに続く例となる。
岸田首相の本気度も測りかねるところがある。宗教法人の解散命令を裁判所に請求する要件に「民法の不法行為も入りうる」と国会で答弁したが前日の答弁では「入らない」としていたんだ。なぜ変わったのか、その説明もない。
岸田首相は自民党総裁でもある。更迭したばかりの山際前経済再生相を自民党の新型コロナウイルス対策本部長に就任させた。内閣改造の時、萩生田経済産業大臣を自民党政調会長にしたのと同じ手口だ。萩生田政調会長は統一協会との関係は真っ黒なのに。
国民世論は統一教会の解散を臨んでいる。最近の毎日新聞の全国世論調査は、政府が解散命令を裁判所に請求すべきかどうかについて、「請求すべきだ」は82%で、「請求する必要はない」は9%だった。
統一教会の被害者を救済するために法律をつくろうと野党は積極的だが、自民党は消極的になってきたという。全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)は、「開会中の臨時国会で速やかに被害者救済のための法整備を行うべきだ」とする声明を発表した。
消費者庁の「霊感商法等の悪質商法への対策検討会 」の報告書も見逃せない。ここにも国民世論の反映がある。同報告書は「解散命令請求も視野に入れ」、「質問の権限を行使する必要がある」としている。
「質問権」とは、宗教法人法に規定されていて、これまで行使した例はない。解散命令に結びつくと見られている。
全国弁連もそれより早く、「旧統一教会の解散請求等を求める声明」を出し、「旧統一教会の最大の問題点は、その伝道活動において、勧誘主体が宗教団体であることや当該活動の目的が宗教勧誘であること、入信後の宗教的実践活動を一切秘匿することによって、当初からそれらが明らかにされれば絶対に入信することのない者であっても信者にしてしまう、これにより被勧誘者の信教の自由や自己決定権を侵害する、という点にある」と主張している。
Q統一教会は、そもそもどういう団体なの?
A 統一教会が、カルト団体であり、反社会的団体であることはかなり広く知れ渡っていた。宗教団体というよりは、宗教を利用したカネ集め団体だ、という指摘もある。当たっていると思う。(「山口広:被害者を守り統一教会と闘って35年 利用し、利用される教会関係の安倍元首相」参照)
統一教会と関連団体は暴力団とそのフロント企業との関係に似ている。
被害者の救済につとめている山口広・全国弁連代表世話人によれば、統一教会は政治、経済などの4つの事業体からできている。国際勝共連合や天宙平和連合(UPF)などもその一部だ。
統一教会は、「霊感商法」が世の中の批判を集めると、「先祖解怨」という手法にシフトしてきて、巨額のカネ集めをつづけている。全国弁連によると1987年から2021年までの霊感商法の被害総額は約1237億円にのぼるというが、もちろん、氷山の一角に過ぎない。
なぜ統一教会に巨額のカネをさしだすのかといえば、正体をかくして対象である日本国民に接近し、マインド・コントローで拒否できなくなるように追い込むからだ。こうして国民から巻き上げたカネはなんと年間600億円になるといわれている。
家庭崩壊などに至る巨額の献金をしいられる日本の信者たち。ところが、巨額献金が問題となっているのは日本だけだと言う。なぜか。
教祖・文鮮明の教えが日本からカネを巻き上げろ、と言っているからだ。統一教会が日本国民を食い物にするのは「教義」そのものから来ることを把握することが重要だ。
文鮮明の言葉を収録している、統一教会発行の『天聖経』という語録集がある。その中でこう言っている。
「韓半島は何かといえば、男でいえば生殖器です」「島国は女性の陰部と同じです」「日本はすべての物質を収集して、本然の夫であるアダム国家、韓国に捧げなければならないのです」
「一家を捨てても、一族が滅びても南北統一のために奮発しなければなりません。それが統一教会の勇士の使命です」
韓国を「アダム国家」、日本を「エバ国家」として、日本が韓国に貢ぐのは当然という驚くべき教えだ。この教えに従って、日本国民から巨額のカネを巻き上げ、韓国の統一教会本部に集中させている。
日本国民からカネを巻き上げるのは、統一教会として当然のことなのだ。
Qそんな統一教会がなぜ日本社会にはびこっているの?
A 最大の問題は、自民党と統一教会が癒着していることだ。教団側の不法行為などを認める判決はいくつもあるが、「政治権力」を利用して生き延びてきた。
たとえば、日本の入管法では国内に入ることが許されない人物を「権力」が押し切った例もある。統一教会の文鮮明はアメリカで脱税の罪で実刑判決を受けているので、日本に上陸できない。ところが、金丸信自民党副総裁(当時)が超法規的に入国させたのだ。
安倍首相の祖父、岸信介元首相からはじまった統一教会と政府・自民党の癒着が行きついた先が安倍政権だ。第2次安倍政権( 2012年12月26日成立)以降は統一教会との癒着を隠さなくなった。国際勝共連合が発行する『世界思想』2013年3月号の表紙に、安倍首相の写真とともに、「強靭な国・日本 安倍政権の歴史的使命」という特集記事を紹介している。
安倍氏は天宙平和連合にもビデオメッセージを送っている。
巨額詐欺事件で知らるジャパンライフは、「安倍晋三内閣総理大臣から山口会長に『桜を見る会』のご招待状が届きました。」と元首相を宣伝役として利用した。安倍元首相と政府・自民党が国民を食い物にする統一教会にお墨付きを与えたことはそれ以上に重大だ。
自民党は「今後は旧統一教会と一切関係を持たない」としているが、それだけですむのだろうか。
国民の命と暮らしを守ることが、政治の最大の役割とすれば、安倍元首相や政府・自民党は、国民を不幸にする統一教会にお墨付きを与え、選挙で利用してきた。その犯罪性は厳しく断罪されなければならない。