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星英雄:嘘つき、国民主権をないがしろにした政権として記録される安倍政権

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安倍首相が任期途中で政権を投げ出した。「病気」を口実にしているが安倍政権の実態は、新型コロナウイルス対策や、北方領土問題などあらゆる面で行き詰っていた。政権担当期間は最長だったが、この政権ほど国家を私物化した政権はない。国民は、公文書を改ざんしてまで自分の地位を守ろうとした安倍首相と政権を、「嘘つき政権」として記憶するだろう。

安倍政権が行き詰っていたことは新型コロナウイルス対策についての、国民の評価に顕著に現れている。「アベノマスク」、持続化給付金、「GoTo トラベル」など安倍政権のコロナ対策に国民の批判が噴出している。学校の全国一斉休校など安倍首相の思い付きで国民は右往左往させられ、ダイヤモンド・プリンセス号などをみても対策は後手後手だった。新型コロナウイルスの収束も見えない。

新型コロナウイルス対策への国民の批判の結果、どの世論調査でも内閣支持率は30%台前半かそれ以下に急落していることに、政権の行き詰まりが見える。

「右派政権というより対米従属政権」。こんな評価が日本会議をはじめとする政権の強固な支持勢力、そして自民党の一部に根強くある。右派勢力は、改憲もさることながら、首相の靖国公式参拝、その定着化が悲願だ。

安倍晋三首相は、第2次政権発足から1年後の2013年12月、靖国神社参拝に踏み切ったがアメリカの怒りを買って、その後は参拝できなかった。右派勢力の不満・批判が表面化しなかったのは、安倍首相が彼らにとって「虎の子」だったからである。

「安倍首相はトランプ大統領のポチ」と言われるほど、根深い対米従属ぶりだった。安倍首相はトランプ大統領との最初の首脳会談の時から、辺野古新基地建設を約束し、強行してきた。特定秘密保護法も、憲法違反の安保法制も「日米同盟」強化の一環として、が理由だった。

安倍政権でにわかに浮上した「敵基地攻撃」は「専守防衛」に反するとの指摘がある。しかし「敵基地攻撃」はそこに止まらない問題がある。相手国が日本攻撃に着手したかどうかの判断は、アメリカの情報に依存する。つまり、相手国と「開戦」するもしないも、アメリカ次第。日本は生殺与奪の権利をアメリカに握られることになる。これがこの問題のキーポイントなのだ。ここまでアメリカに従属していいはずがない。もっと深刻に考えたほうが良いと思う。

安倍首相がトランプ大統領の「ポチ」として米国製武器を爆買いしても、アメリカの対日要求がやむわけではない。トランプ大統領は「米軍を引き揚げる」と日本を脅せばどうにでもできると踏んでいるようだ。日本政府がアメリカに提供する辺野古新基地は、政府の見積もりでも9000億円もの血税が投入される。沖縄県民らの反対運動で、建設の見通しはいまだ立たないというのに。

「生活が豊かになると思わせておけば国民はてなずけられる」とばかりにはじめたのがアベノミクス。GDPの増大をもくろむものではあっても、国民1人1人の生活の豊かさをめざすものではなかった。

円安・株高で大企業中心に業績は上向いたとされるが、実質賃金は低下。「国の借金」はすでに1100兆円を越え、国民1人当たりの借金は900万円にもなる。新型コロナウイルスによってアベノミクスの破綻は明らかだが、「国の借金」は若い世代に負担となって残る。

安倍政権の最重要課題とされたのが「拉致問題」だ。「解決できなかったことは痛恨の極みだ」と、退陣表明の記者会見で安倍首相は嘆いてみせた。戦争責任をいまも追及される日本が唯一被害者として振る舞えるのが拉致問題だ。そこで、侵略戦争を認めない右派勢力がこの問題に飛びついた。「北のようなちっぽけな国はすぐに参ったとなる」と安倍首相は圧力一辺倒で北朝鮮に迫った。

だが、解決の糸口さえ見いだせず、方針転換した。そしてアメリカのトランプ大統領にすがった。自国民の命がかかった問題を他国頼みにするとは、この政権の無策を示すだけではないか。

ロシアのプーチン大統領と27回も会談を重ね、「私とプーチン大統領の手で成し遂げていく」と豪語した安倍首相。あたかも北方領土が返ってくるかのように国民を誤導して、結局は頓挫した。失敗の説明をすることもなく、責任も取らずに退陣表明に至ったのだ。

悲惨な大事故を引き起こした東京電力福島第1原発の汚染水を、「アンダーコントロール」とうそぶいて招致したオリンピック・パラリンピックも実現する見込みはないといっていい。

要は、安倍政権は八方ふさがりの状態で、やめざるを得なかったのだ。「病気」を口実にできるいまがやめ時だと判断した、というのが実際ではないか。

安倍政権を語るとき、公文書の廃棄、改ざんを忘れるわけにはいかない。

安倍首相は2017年2月の衆議院予算委員会で、森友学園に不当に8億円値引きして国有地を売却した問題で「私や妻が関係していたということになれば総理大臣も国会議員もやめる」と答弁した。この安倍首相を守るため、「すべて公務員は、全体の奉仕者」(日本国憲法第15条)であるはずの霞が関の官僚をふくめ総体としての安倍政権が、公文書の改ざん、破棄等を行ったのだ。選挙に勝てば、何をやってもよいというのが安倍政権だった。日本国憲法で定められている「国民主権」をこれほどないがしろにした政権は戦後史に例をみない。

国民主権とは、国民が政治権力の源であり、政府は国民の意思に基づく1つの機関であるという考えだ。

日本国憲法はこう定めている。「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」(日本国憲法前文)

主権者国民に説明責任を果たすために、公文書管理法もある。その第1条でこう定めている。

「公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものであることにかんがみ、国民主権の理念にのっとり、公文書等の管理に関する基本的事項を定める」

憲法や法に背いたのが安倍政権だ。つまり、憲法が定める基本原理、「国民主権」に背き、アメリカのトランプ大統領のように、権力を握れば何をやってもかまわないという考えの持ち主が安倍首相だったといえる。

退陣表明の記者会見で政権のレガシー(政治的遺産)についてきかれ、安倍首相はこう答えた。「国民が判断するのかな、歴史が判断していくのかな」と。国民はこう判断するだろう。「嘘つき安倍政権」「嘘つきシンゾウ」「国民主権をないがしろにした政権」と。そして後世の歴史家もそう記録するだろう。

国民主権の政治を行うためには国民の側にも「国民主権」の担い手としての自覚が求められる。「主権者国民」に対する説明責任を果たさない政権であればたとえ自民党支持者であれ、公明党支持者であっても、それを正す責任があることを自覚すべきだ。ことは、「日本国憲法」の問題である。

「病気」を理由にすれば、説明責任、政治責任を免れるわけではない。安倍政権・自公政権を許すな。

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