〈以下は「沖縄県民と連帯する府中の会」の会報260号(4月5日発行)に掲載された拙稿です。〉
安倍政権は3月25日、辺野古側の新たな区域に土砂を投入した。沖縄県民の声や工事を中止して対話を求める玉城知事の訴えには「聞く耳持たず」、軟弱地盤の大浦湾側の工事を回避して突き進む。主権者国民に対して工期や費用の見通しを明らかにできないまま、2兆5千億円という巨額の国民の血税を注いでアメリカに提供する安倍政権を許してはならない。
沖縄は2014年、2018年の知事選、2019年の県民投票、いずれも「辺野古ノー」の圧倒的な民意を鮮明にした。知事選も県民投票も、現場闘争・市民の働きがもたらした勝利だ。県民投票の投票日、朝から電話で投票を呼び掛けていた辺野古の女性が、投票率が最終的に52%に達して「ホッとした」と漏らしたことは忘れられない。今「若者たちはぜひ現場に来てほしい」と切実に願っている。
県民投票の後に開かれた那覇市・新都心公園での県民大会でも、現場からのスピーチが聴衆の心をとらえた。沖縄著名人のあいさつに加え、若者3人、現場闘争1人のスピーチは新しい試みだった。ゲート前の現場闘争を代表して嘉手納ピースアクションの比嘉多美さんはこう訴えた。
「守るべき唯一無二の美ら海に、土砂が投入されて3カ月が経った。その土砂の1粒1粒が地球のカケラであり、私たちの税金と思うとやり切れない怒りと憤りを覚える。海は青いまま、森は深いままでいい。沖縄不在の日米合意はこれまでも、これからも認めない」
ちなみに、嘉手納ピースアクションは辺野古の現場闘争に参画するほか、毎週金曜日には嘉手納基地の撤去を求めるなど嘉手納基地の前で抗議活動を続けている。最近では、韓国の人々と共に「今こそすべての軍事基地を撤去させよう!」というシンポジウム、日韓連帯集会を開いた。
沖縄が正念場を迎えているとすれば、沖縄以外に暮らす私たちは何をすればよいのか。日本の世論を少しでも変えるために行動することだと私は思う。現場闘争に参画できなくとも、主権者国民としてなすべきことはある。
私も参加している町田市の「沖縄とわたし」という沖縄をユンタクする会合の有志たちは、町田市議会に「辺野古新基地建設反対」の請願書を出す準備をしている。多くの市民に直接訴えたいと考えている。
安倍首相は「日米同盟強化」をうたい文句に対米公約し、辺野古新基地を強行している。実はしかし、「辺野古は日米安保体制の最も弱い環」なのだ。20年以上、新基地建設を許さない闘いが続いていることが、その証だ。
「辺野古を止めれば日本が変わる」のだ。(ジャーナリスト、「沖縄を考える」事務局)