「問答無用」とはこのことか。安倍政権が辺野古の海に土砂を強行投入した。いまさら沖縄の民意を聞いてどうする。予定通り土砂を投入して、沖縄県民のあきらめを誘うのが得策だ。新基地建設はトランプ米大統領への貢物だからな。安倍首相の胸中はこんなものだろう。しかし、沖縄県民は悔しさを押し殺し、あきらめないで闘い続け、「本土」も連帯の闘いを持続する。
安倍政権は14日午前、辺野古沿岸部の埋立区域に土砂を投入した。2か月半前に、辺野古新基地建設反対の玉城知事を圧勝させた沖縄県民の怒りを掻き立てる蛮行だ。
米軍キャンプ・シュワブのゲート前で、海上ではカヌーや船から抗議の声をあげた。
土砂投入の模様は、「沖縄ドローンプロジェクト」提供の画像をご覧ください。(先端が辺野古崎、手前が辺野古側、向こうが大浦湾)
抗議行動に参加した辺野古住民の直井由美子さんは、県民の気持ちを代弁してこう語る。「土砂投入と言っても、まだほんの少し。これからも諦めないで闘い続けよう、というのがみんなの思いです」
東京・首相官邸前でも抗議の声が響く。辺野古の海を土砂で埋めるな!首都圏連絡会の呼びかけで、夕方まで首相官邸前で座り込みの抗議行動。夜は首相官邸横の衆院議員会館前で抗議集会を開いた。
抗議集会では、辺野古の現場で闘う人々に向けた玉城デニー沖縄県知事のメッセージが代読された。「今後、軟弱地盤の問題などもあり、辺野古新基地の完成は見通せないもの。多くの県民の負託を受けた知事として毅然として行動する決意だ」。
首相官邸周辺には、「辺野古新基地建設反対」「土砂投入をやめろ」「沖縄・現地とともに闘うぞ」の抗議の声が響き渡った。
安倍政権は選挙で多数を得てしまえば、何をやっても許されるというのか。沖縄県は12月12日、工事を中止するよう沖縄防衛局を行政指導した。
そもそも県が埋め立て承認を撤回したことで、工事の法的根拠はなくなった。それを政府は、行政不服審査制度を悪用して工事を強行しているのだ。
沖縄県は2兆5500億円もの工事費がかかることを政府に示した。これだけの巨額の血税を注ぎ、住民の命と人権を脅かし、宝の海を破壊する米軍基地がなぜ必要なのか。なぜアメリカに貢がなければならないのか。
工事は簡単には進まない。沖縄県は、最低でも13年はかかるとみている。軟弱地盤の改良には知事の承認が必要になる。だからこそ、安倍政権は先の知事選に必死だったのだ。
闘いは長くなる。しかし必ず転機は訪れる。あきらめずに闘おう。