私と沖縄

沖縄県知事選について③:沖縄のことは沖縄が決める

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神田健策

9月30日、沖縄県名護市辺野古のアメリカ軍新基地建設の是非が大きな争点となった県知事選挙が行われ、8月8日に急逝した翁長雄志前県知事の新基地反対を継承する玉城デニー候補が県知事選挙史上最高の39万6,632票を得て当選しました。安倍政権が全面支援し、自民、公明、維新、希望推薦の佐喜間淳前宜野湾市長に8万174票差をつける圧勝となりました。沖縄県民は前回の翁長知事誕生に続いて、連続して新基地反対の圧倒的民意を示しました。私たち市民連合あおもりは、この沖縄県民の確固とした意思表明に心から賛意を表すとともに沖縄に米軍基地を押しつける安倍政治に対して沖縄県民の民意を尊重することを要求します。

この選挙結果を受けて安倍首相は1日「選挙の結果は政府としては真摯(しんし)に受け止め、今後、沖縄の振興、基地負担の軽減に努める」と首相官邸で記者団に語りました。安倍首相はこれまでに何か問題がおきると「真摯に受けとめる」とか「丁寧に説明する」を繰り返してきましたが、ただ聞き流すだけの「辺野古基地建設は変わらない」ことを前提とした対応をすることに他なりません。「森友・加計問題」でも同様でした。

今回の選挙において佐喜真陣営は、人も金も大量につぎこみ、菅官房長官や小泉進次郎議員や小池百合子東京都知事などの著名人、さらに公明党・創価学会の幹部(原田稔会長)を大量に投入して、今年1月の名護市選挙において効力を発揮したと言われる期日前投票動員戦略を実施しました。また、最大争点の辺野古新基地建設の是非は隠して、「国との対話と経済振興」を前面に出した争点隠しの選挙戦を続けましたが、多くの県民を力ずくで押しつぶすことできませんでした。

特に9月22日の玉城デニー「うまんちゅ」集会では、翁長前知事の妻・樹子さんが「政府の権力を全て行使して、私たち沖縄県民をまるで愚弄するように押しつぶそうとする。何ですかこれは」と涙と怒りをこめて訴えました。その言葉は、これまで沖縄振興予算などで揺さぶりをかけ米軍基地を押しつけ、県民の命とくらしを踏みにじってきた歴代自民党政府、そして今回の安倍政権・与党総がかり、力ずくでの押しつけに対する強い怒りと、それに共感する県民を代表する発言でした。

「沖縄のことは沖縄が決める」という「民主主義・地方自治への攻撃に対する強い抵抗と、「平和を危機にさらす辺野古新基地拒否が世論調査で7割という圧倒的な県民の願いが、無党派7割、公明3割、自民2割の支持を生み出し、「オール沖縄」勢力の結束を示し、玉城デニー新知事を誕生させました。

市民連合あおもりは投票日前日の29日、「市民連合あおもり発足記念講演会」を開催し、青森県内全野党の挨拶を頂くともに市民と野党の結束を呼びかけました。今回の沖縄県民の勝利は、米軍基地、原発関連施設を多く有する青森県の将来を考える際にも多くの示唆を与えています。私たちも「民主主義と平和を願う沖縄県民の闘いに学んで進む決意です。(市民連合あおもり共同代表)

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