私と沖縄

飯髙京子:私たちもできる! ―若者へ沖縄基地問題の「映像」を通し語りかけようー

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8月17日の辺野古埋立て強行実施を目前に、現地坐りこみ参加やカンパ要請が次々と届く。猛暑、台風もあり、無理の利かなくなった私は現地の仲間と一緒に参加できず、胸が痛む。その中、現在進行中の辺野古埋立て現場や県民大会などの記録撮影を続けている双子の兄弟、都島伸也、拓也さんから、ドキュメンタリー映画「私たちが生まれた島 ~OKINAWA2018~」の製作費協力の依頼が届いた. これは全国からの支援を受けて、今夏完成したドキュメンタリー映画「OKINAWA 1965」の続編である。

この映画の企画は先般行われた名護市長選挙に、多数の若者が「オール沖縄」連帯に背を向けたことへの反省から生まれた。連日、早朝からおにぎりを持って坐りこみに出かけ、必死で頑張るおじい、おばあ達、戦争体験者の強い思いは、若い世代へ必ずしも届いていなかった。沖縄の若者も公教育の下では、日本の戦前・戦中の歴史を学ぶ機会が不十分で、偏ったネット情報に依存しがちである。今回の選挙運動期間中、与党が注ぎ込む巨額の資金と甘い宣伝に、彼らはすっかり惑わされた。現在進行している若者の活字離れを反映し、彼らの多くは新聞や本を読んで「じっくり考える」習慣が十分育っていなかった。こうした実情を考慮して、与党は漫画を通し「憲法改正」の必要性を訴えようと宣伝方法の工夫をしている。

沖縄ドキュメンタリー映画制作者の都島伸也・拓也兄弟はまだ30代だが、敗戦直後に米軍の車にひき殺された幼女の現場を隠し撮りし、以来映像を武器に米軍駐留の不当性を訴え続けるカメラマン嬉野京子さんの力強い支援・指導を受けている。今回の続編映画は、まず沖縄の若者たちに焦点をあてる。元SEALDsの元山仁士郎さんを中心に、沖縄育ちの彼らが対話を通して目覚めて行く過程を、高江のヘリパッド基地建設阻止や、辺野古埋立て抵抗運動を背景に描いている。「映像」の訴える力は強い。沖縄に無関心だった本土の人々も、74%もの米軍基地を押しつけられた沖縄の苦悩をわが事として受け止め、共に歩むきっかけになるであろう。

大切な点は、この映画が若者と壮年・高齢者との距離を縮め、「みんな一緒だ」という連帯感を生み出すことである。最近、身勝手な言動をする安倍首相を「格好よい、頼もしい」と感じる若者が増えている。あれほど平気で嘘をつき、数の暴力で自らの欲する法案を国会で強行採決。国民の税金で高価で不用な武器を米国から購入。沖縄県民の訴えを無視して辺野古の埋立てを実施しようとしている首相のどこがよいのか。怒り、憤慨し、嘆いてばかりではいけない。若い世代と対話を始めよう。そのためには、ささやかでも自分たちの可能なカンパをして、この続編「OKINAWA2018」を完成させよう。

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