沖縄のいま

稲葉博:沖縄は負けない ダブリン国際会議に参加して

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〈全世界から米軍基地とNATO基地の撤退を求める国際会議がアイルランドの首都ダブリンで、現地時間11月16日から3日間開かれました。参加した沖縄・辺野古在住の稲葉博さんのレポートです。稲葉さんは新基地建設反対の抗議行動を威力業務妨害などの罪に問われ、現在控訴して闘っています〉

〈稲葉博撮影〉

実は「国際会議」と名がつくものに参加するのは初めてのことでしたが、素晴らしい国際会議だったと思います。ダブリンも初めて訪れましたが、かつてロンドンで生活していたことがある私には、街並みはロンドンと似ているように感じました。
いっしょに参加する予定の山城博治さんが体調不良のため、私1人が参加しました。航空運賃や宿泊費など、もちろん自己負担です。

でも、世界の35カ国から約300人、米軍基地に反対して活動している人たちが参加して沖縄との連帯を表明してくれたのです。主催者代表の一人、アメリカ人のバーマン・アザットさんが「沖縄には、世界が味方している」と発言してくれたように、だれもが沖縄・辺野古に注目していて沖縄の事態に強い関心を寄せていることを肌で感じることができました。この国際会議から、沖縄でいま起きていることが世界に発信されていく、と確信しました。

退役軍人らの「ベテランズ・フォー・ピース(VFP)」メンバーも参加していました。VFPは山城さんと私が不当に逮捕され、家族とさえ面会できなかったときに、人権蹂躙だといって抗議の署名を集めてくれました。

〈左が稲葉博さん、大竹秀子撮影〉

私は会議の2日目に発言しました。山城さんから託された「沖縄は新基地を望んでいない」という挨拶文を代読し、そして私のメッセージを訴えました。

沖縄は辺野古新基地建設の土砂投入が迫っていて、重大な時期をむかえている。沖縄県知事選で圧勝し、玉城デニー知事を誕生させたにもかかわらず、政府は違法に違法を重ねながら、新基地建設を強行する考えを変えない。沖縄は唯一の地上戦を経験し、4人に1人が亡くなった。誰よりも戦争を憎む県民だ。私たちは負けない。軍事基地のない、戦争のない、平和な世界のために共に頑張っていこう、と訴えました。

日本以外からの参加者のスピーチを聞いていて、基地が原因のダイオキシンとか薬害、騒音問題の訴えはありましたが、レイプ被害や殺人の話がなかったことは少し驚きました。沖縄はひどい、世界の中でも特別に悲惨な状態に置かれていると改めて思ったので、この点も私のスピーチで訴えました。沖縄では米兵によるレイプや殺人もある、1か月の間に米軍ヘリコプターが2度も墜落していると。みんな驚いていました。

国際会議に参加した人たちは、5つのグループに分かれて意見を交換しました。私はオーストラリア、アメリカ、フィリピン、そして日本の4カ国が構成メンバーの、パンパシフィックのグループに参加しました。お互いの情報交換のために、年に1回集まろうということになり、来年は香港で、という声もありました。韓国やマレーシアなど他の国の人たちも巻き込もうと、すでにメールのやり取りも始まっています。

ダブリンの国際会議に参加して、世界の人たちと思いを共有できたと思います。私も彼らに勇気づけられました。辺野古新基地建設に反対する沖縄の闘いは決して孤立していない。あきらめないで闘おう。

〈稲葉博撮影〉

〈稲葉博撮影〉

〈稲葉博撮影〉

〈稲葉博撮影〉

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