10月27日に投開票の衆院選の民意は「自公政権ノー」だった。このことを銘記しなければ何のために衆院選をしたのか、わからなくなる。
石破茂首相(自民党総裁)も、勝敗ラインについて「自公で過半数}と明言して臨んだ衆院選だった。
「日本国憲法」はその前文で、[ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法はかかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する」と明記している。
国民が主権者なのだ。このことの意味は重く、大きい。
自公両党で、64議席減。公明党の石井啓一代表が 落選した。自公両党で過半数割れ、歴史的大敗を喫したのが、今回の選挙結果だった。
「自公政権ノー」こそ、この衆院選での民意なのだ。このことを確認しておきたい。
選挙の争点の第1は裏金問題だった。裏金問題が自公両党の逆風になった。自民党裏金議員46人のうち、当選者は19人、落選者は28人。60.9%が落選した。
裏金非公認議員への2000万円支給問題は、「しんぶん赤旗」のスクープだったが、自公両党への最後のダメ押しとなった。
ところが、民意に反する政党が現れた。国民民主党だ。
自公政権を延命させたくて悪あがきをしている自公両党に助け舟をだしたのだ。
国民民主党は首相指名選挙で、玉置雄一郎代表に投票することを決めた。
朝日新聞は「石破首相選出の公算大」の大見出しの下、こう報じた。
「国民民主は30日の執行役員会で、来月11日召集で調整中の特別国会での首相指名選挙では立憲民主党からの協力要請に応じず、決選投票を含めて玉木氏に投票することを確認。玉木氏が決選投票に残らなければ無効となり、石破氏選出を事実上、容認する形となる。このため自民内で大量の造反議員が出なければ、石破氏が再任される公算が大きい」(」朝日新聞10月31日付朝刊)
「自公政権ノー」の民意に反して、自公政権を存続させるのが国民民主党だ。これほど民意に反することはあるだろうか。
国民民主党と自民党との間で取引されるのが、国民民主党の政策だ。「全国どこでも時給1150円以上」に代表される経済政策だ。
財源や財政健全化の発想はなく、経済成長戦略もない。長期的には経済成長の足を引っ張る代物だ。
来年の参院選で、民意に反する国民民主党には、投票しないでおこう。民意に反する政党に、思い知らせるべきだ。