名護市長選は大激戦のなかで「3日攻防」を迎えた。「3日攻防」とは、最終盤の集票活動が激しくなり、最後の3日間の選挙活動が勝敗を決するという意味だ。沖縄の選挙は、最後の3日間の奮闘が勝敗を決める。
岸本洋平候補は辺野古新基地建設反対を明確にしている。渡具知武豊候補は米軍再編交付金を受け取り、辺野古新基地を受け入れていながら「誰もが安心して暮らせる街づくり」などと真っ赤なウソを並べ立てている。
米軍基地で市町村が栄えるなら、全国の自治体が誘致合戦を行うはずだが、そんな事実はない。「米軍基地で名護市が栄える」などと言うのは、名護市民の一部だけの倒錯現象だ。
名護市長選の一大争点は、辺野古新基地建設を認めるか認めないか、である。名護市長選に関する琉球新報社、沖縄タイムス社、共同通信社の3社合同の世論調査では、政府が進める米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に対し「反対」が43・4%、「どちらかといえば反対」が18・7%で、62・1%が新基地建設に反対している。
新基地建設反対こそ名護市の民意だ。1997年12月21日の名護市民投票以来、新基地建設反対こそ名護市民の不変の意志なのだ。
攻勢に出よう。名護市民に訴えよう。
渡具知候補が辺野古新基地建設積極推進派であることはすでに「星英雄:辺野古新基地建設を止めて25年、迎えた名護市長選挙」で明らかにした。
米軍基地を誘致しても、あたかも名護だけは安全・安心のような錯覚が一部にある。米兵は名護市民の意向に沿って動くのか。そんなことはない。沖縄の日々の現実が、米軍基地・米兵の犯罪を告発している。
米軍基地から波及したオミクロン株が沖縄県民に感染した問題。米兵は日本の検疫システムから自由である。出入国も自由にできる。
それだけではない。日本から他国へ行くときは、PCR検査を済ませて行くことも明らかになった。
アメリカから見て日本だけは何をやってもよい国なのだ。世界中が、新型コロナウイルスに恐れ、おののいているのに、日本だけが米兵の勝手を許しているのだ。
米軍基地の泡消火剤(有機フッ素化合物=発がん性物質)が沖縄県民の飲料水を飲めなくした問題。それを究明する基地内立ち入り調査ができない問題。
その他米兵による女性に対する性暴力の問題。騒音等々・・・。命にかかわる問題でさえ米軍の勝手なのだ。まさに、世界でもほかに例がない「米軍天国」が日本なのだ。辺野古新基地建設を拒否するのは当然ではないか。
米軍基地が他国に存在するのは、第2次世界大戦後である。戦勝国アメリカが、ドイツ、イタリア、日本などに基地を置いた。
日本はドイツ、イタリアなどとは違って、基地提供条約として日米安保条約を締結した。ドイツ、イタリアと日本の違い、日本が「米軍天国」なのはここに由来する。日米安保条約第6条に基づいて、日米地位協定が結ばれた。
米軍基地があって栄えた市町村はどこにもない。新基地建設「ノー」が名護市の多数派だ。「3日攻防」だ。攻勢に出よう。