連帯

星英雄:日本の戦後はポツダム宣言の受諾から始まったー自民党総裁選に思うこと

投稿日:

日本の戦後は「日本の人々をだまし、間違った方向に導き、世界征服に誘った影響勢力や権威・権力は、排除されなければならない」とするポツダム宣言の受諾から始まった。国民を主権者とし、平和主義をうたった「日本国憲法」の制定もポツダム宣言を受諾した結果である。

ポツダム宣言は、侵略戦争推進勢力の一掃を強調したが、自民党はそうではなかった。A級戦犯である岸信介を首相に押し上げたように、反ポツダム宣言、反憲法勢力だった。

日本国憲法は第98条で「この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅 及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない」と明記している。

憲法第9条は、「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」とうたい、

憲法9条の第2項では「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」としている。

それにもかかわらず自民党はA級戦犯の岸信介を自民党総裁・首相にしたように反ポツダム宣言、反憲法勢力として振舞ってきた。

改憲は自民党結党以来の願いである。

いま改憲するとはどういうことか。敵基地攻撃能力を持った自衛隊が、公然と対外戦争をすることになる。許せない。

日本軍ほど人命を粗末にした軍隊はない、アジア戦域での死者は食料もない餓死がほとんどだったことも研究者の著作で明らかにされている。

人命を失うことを前提にした「特攻」を想起するだけで、そのことが明らかになる。

戦犯を祭った靖国神社を美化する総裁選候補者もいることには、あきれ返るしかない。

自民党総裁選挙は8月14日、岸田首相の自民党総裁選不出馬宣言から始まった。

中島岳志・東工大教授は毎日新聞でこう評した。「首相になることだけが目的」「中身は空っぽだった」(毎日新聞8月15日付)

逆に、アメリカは岸田首相を高く評価している。

アメリカのバイデン大統領は、岸田首相が退陣表明をしたその日、8月14日に「岸田首相のリーダーシップにより日米同盟の未来は、かつてなく強固で、明るいものになった」と岸田首相を持ち上げた。

4月10日の日米首脳会談で、バイデン大統領から岸田首相が「国賓」として招かれた理由について、エマニュエル駐日米国大使は、岸田首相が戦後の安全保障政策を根本から変えたからだ、と産経新聞2024年4月5日付で語っている。

敵基地攻撃能力の保有、安全保障費の2%への増額、米製トマホークの購入、等々。岸田首相は、アメリカの意向に沿って政策を変更したのだ。

岸田首相が自民党総裁選不出馬の理由は内閣支持率が低いことにある。旧統一教会問題と裏金問題だ。

朝日新聞のスクープが自民党総裁選を大きく揺さぶっている。

2013年の参院選直前、時の安倍晋三首相が、自民党本部の総裁応接室で、旧統一教会会長らと面談していた事実を、証拠写真付きで報じた。自民党の萩生田光一・元経済産業相、岸信夫・元防衛相が同席していた。

比例区候補の北村経夫・元産経新聞政治部長を旧統一教会が支援する場だった。

参院選の前年、2012年の衆院選に勝って第2次安倍政権がスタート。2013年の参院選も勝ち、「ねじれ」を解消したーーと朝日新聞は報じている。

自民党はこれまで、議員個人の問題だ、として個人の申告ですませてきた。しかし、これだけ組織的であることが判明したのだから、きちんと調査をすることは当然ではないか。

自民党総裁選立候補者9人は、朝日新聞の報道をどう受け止めるのか。そのことが問われている。

公設秘書の給与を国からだまし取ったとして、東京地検特捜部は広瀬めぐみ元参議院議員を起訴した。

堀井学・前衆院議員は、裏金事件をめぐり、政治資金規正法違反(虚偽記載)と公職選挙法違反(選挙区内の寄付)の罪で起訴された。

自民党は金権腐敗まみれだ。2人が自民党を離党しても犯罪が消えるわけではない。

国民に隠れて、カネを自由にできるという感覚は何処から来ているのか。

主権者は国民だ。自民党の闇は深い。

自民党、公明党、日本維新の会などで成立させた政治資金規正法は、抜け道の多さから「ザル法」といわれる。

自民党総裁選立候補者は、全員これに賛成した。今になって調子のいいことを言うなよーーというのが国民の声だ。

自民党総裁選立候補者は国民の声を聞け!!

すでにこういう指摘もある。「自民党の単独政権を基軸とする昭和期から政権交代と連立の平成・令和期に移った」(朝日新聞9月16日付)

 

-連帯

Copyright© 沖縄を考える , 2024 All Rights Reserved.