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星英雄:暗愚の首相・菅義偉によって国民の命の切り捨てが始まった

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菅首相を「暗愚の首相」と評しても、ほとんど異論は出ないだろう。日本全国、とりわけ東京都で新型コロナの感染者が急増する事態に直面し、誰もが「これまで経験したことがない危機」と受け止めていたにもかかわらず、菅首相や小池都知事は、オリンピックは「人流減」に貢献しているとうそぶいていた。その菅首相が今度は、感染者の入院を制限するという。暗愚の首相による国民の命の切り捨てを許してはならない。

菅首相は2日、新型コロナウイルスの感染者が急増する地域で入院できるのは、重症患者や重症化リスクの高い患者に限定する方針を決めた。現在は入院と判断されている中等症と軽症の患者は、自宅療養にするというのだ。

大阪府は第4波の時、自宅療養者から死者が続出した。自宅療養者の死者は全国的にも増大している。

菅首相によって自宅療養の対象とされた中等症について「人生で一番苦しい」と患者や医師は言う。その中等症には中等症Ⅰと中等症Ⅱがある。これまでなら中等症Ⅱは「肺炎の進行状況を確認のため、血液ガス検査や画像検査の必要性を判断し、実施する必要」があると厚労省のホームページは明記している。

つまり、中等症Ⅱは、医師と看護師のもとで、きちんとした検査をする必要がある患者なのだ。そのうえ、新型コロナウイルスの感染者は、軽症も中等症も「急激に重症化」する危険がある病気である。

だれがどのように患者の急変を把握するのか。できるはずもない。患者の治療にあたっている現場の医師たちからは「救えるはずの命が救えなくなる」と悲鳴があがる。まさに国民の命の切り捨てだ。

そもそも、入院させるべき患者を自宅療養に追いやって、病床に余裕をもたせることにどんな意味があるのか。国民の命と暮らしを守るべき政府の任務放棄──棄民政策に他ならない。

新型コロナウイルス感染症患者は本来、原則入院だった。患者が増大するにつれ、医療の実態に合わせるようにして、政令で「自宅療養」も認めるようにしてきた。病床(ベッド数)に患者を合わせるようにやってきたのが現状だ。いわば、人間の命よりモノ(ベッド)を大事にしてきたのが安倍と菅、両政権のやってきたことに他ならない。

それにしても、なぜ菅首相は自宅療養に舵を切ったのか。菅首相の「ワクチン政策」の破綻を糊塗するものに他ならない。

多くの専門家が警鐘を鳴らすなかで、菅首相は楽観論をふりまき続けた。暗愚の首相の口ぐせは、「ワクチンは切り札」「ワクチンこそ決め手」。ワクチン接種がいきわたれば、自民党総裁選も解散総選挙もうまくいくという個人的野心が楽観論をふりまいてきた。しかし、菅首相が「ワクチン・・・」と言っているうちに、感染者数は爆発的に増大した。いまや、医療崩壊の現実が誰の目にもわかるところまで来たのだ。

しかも、ファイザーやモデルナのワクチンはメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンだ。重症化を防ぐことに主目的があり、感染を防ぐ能力は比較的低いことが世界的にも明らかになってきた。いまや、ワクチンはオールマイティではない。

菅首相によるワクチンの接種過程も見逃せない。菅首相はいまだにファイザー社のCEOとの会談内容を明らかにしない。「ワクチンこそ決め手」というなら、どれだけのワクチン量を入手し、それをどのように配分し、接種していくか、綿密な接種の道筋を描き、設定することこそ肝心だ。その場合、CEOがどれだけのワクチン量を約束したか、明らかにすることは欠かせない。

しかしこの間、ワクチン不足により予定通り接種を実行できないこともはっきりしてきた。自衛隊を動員したり、企業を通しての接種などをみると、大企業・正規社員が優先され、中小、零細企業・非正規社員が後回しにされていることも明白だ。新型コロナウイルス感染症によって、弱者を下敷きにした日本社会の構造、格差社会もあぶりだされた。

今回の菅首相の「自宅療養」方針は、小池都知事との連携プレーに違いない。東京都はすでに昨年11月から民間業者に委託して「自宅療養者フォローアップセンター」を開設した。菅・暗愚の首相と小池都知事の下で増え続ける自宅療養者を、放置できなくなってきたことも反映している。しかし「自宅療養」方針は、すでに破綻しているのが現実だ。

東京都の福祉保健局はホームページでこう言っている。「自宅療養される方の増加に伴いまして、保健所や自宅療養者フォローアップセンターからの連絡について、数日お待ち頂く場合がございますので予めご了承願います」。数日待っている間に、何が起きるのか。症状が急変した自宅療養者に対応できるのか。

東京都の取り組みで、すでに破綻が明白な「自宅療養方針」。なんというでたらめなことを、暗愚の首相はやろうとしているのか。

安倍前政権と菅政権。この2つの政権はPCR検査軽視に見られる非科学的感染症対策──国民に「自粛」を強いるだけの無策をつづけてきた。その帰結として、いまの感染爆発がある。

地域で感染者の治療に尽力してきた宇都宮市のインターパーク倉持呼吸器内科の倉持仁院長は、3日のテレビ番組で菅首相の無策を批判したうえでこう言った。
「(菅首相と小池都知事)2人ともお辞めになったほうがいい」

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