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星英雄:国民の声を聞かない岸田首相と自民党

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岸田首相と自民党は、安倍元首相の「国葬」を強行しようとしている。統一協会ともべったりだ。ところが、国民の意志に逆らう岸田政権は国葬反対、日本国民を食い物にする統一協会との癒着を断ち切れ、の国民の声に土台が揺さぶられている。

安倍元首相の国葬が、国民の意志に沿わないことは、メディアの8月の世論調査に明らかだ。

時事通信の8月の世論調査は、「国葬」に反対は47.3%、賛成は30.5%。共同通信の世論調査は「国葬」に反対53.3%、賛成45.1%だった。

NHKは「評価しない」が50%、「評価する」が36%。

毎日新聞は「賛成」30%、「反対」53%。朝日新聞も「反対」50%、「賛成」41%だった。

岸田政権にとって安倍元首相の国葬反対世論の高まりは驚き以外の何物でもないだろう。一気に国葬反対の世論が大きくなってきているのだ。国民世論が統一協会問題と絡んで、岸田政権の土台を揺るがせている。

岸田首相が国葬を表明したのは安倍元首相の銃撃事件のわずか6日後だった。保守層の支持をつなぎとめ、各国の弔問客を「岸田外交」に利用することが動機だったと指摘されている。

統一協会との深い関係を指摘されている下村博文元文科相から、「国葬を」と突き上げられた事実もある。国民の声よりも、自己の利益を優先させた岸田首相だが、損得計算が裏目に出た格好だ。

国葬は憲法違反、根拠となる法律がない、などを理由として国葬に反対するいくつもの訴訟が起きている。

戦前、国葬は天皇の権威付けや軍国化に利用されてきたが、戦後、その根拠法令の「国葬令」は日本国憲法の施行に伴って1947末で失効した。国葬は憲法に違反するからいまの日本には国葬を行うための法律もない。

それでも国葬を強行しようというのが岸田首相と自民党なのだ。二階元幹事長は国葬について「やらなかったらバカ」と言ってのけた。

統一協会との癒着にも国民の怒りが向かっている。朝日新聞の最新の世論調査では、岸田政権の対応について「評価しない」が65%に達している。「政治家は旧統一協会との関係を断ち切るべきだと思いますか」との問いに、82%が「断ち切るべきだ」と応えている。

岸田首相の内閣改造も、日本国民を食い物にする統一協会を抜きに組閣ができない自民党の癒着体質を見せつけただけに終わった。

安倍元首相はどんな政治家だったのか。「桜を見る会」の問題だけでも、118回の虚偽答弁を行っている。これは衆議院調査局の調査によるもので、安倍氏自身、後に国会で虚偽答弁を認めたが、反省は示さなかった。

「森友学園」への国有地売却を巡る財務省の文書改ざん問題などを加えると、どれだけ国民を欺いてきたことか。国民にウソをついて平然としているのが安倍元首相なのだ。

安倍政治の実態も、国民にとっては容認しがたい。

米国製兵器を爆買いしても、労働者の賃金は上がらない。それがアベノミクスだ。「外交」も同様だ。安倍氏とロシアのプーチン大統領とは27回も首脳会談をし、あたかも盟友扱いしたが、「北方領土」は返ってこない。北朝鮮は「締め上げればすぐに参ったという」と鼻息を荒くしていたが、「拉致問題」は解決しない。

統一協会との関係でも、安倍元首相は犯罪的な役割を果たしている。安倍元首相の祖父、岸元首相から始まった統一協会との癒着は、父親の安倍晋太郎元外相、安倍元首相へと引き継がれた。選挙で統一協会票を差配したのも安倍元首相だ。

統一協会は日本国民を食い物にして肥大化してきた。全国霊感商法対策弁護士連絡会のホームページによれば、被害総額は約1237億円。それも「氷山の一角」に過ぎないという。

同連絡会は2019年、国会議員に対し次のような訴えの要望書を送付した。「旧統一教会やその正体を隠した各種イベントに参加したり、賛同メッセージを送らないで下さい」「(世界平和統一)家庭連合は、統一教会と称していた頃から、信者の人権を抑圧し、霊感商法的手口による反社会的行為による違法な資金獲得とその資金の韓国文鮮明ファミリーへの献金を継続してきました。私達は、全ての政治家に対し、反社会的団体である家庭連合やそのダミー団体から支援を受けたり、連携していると見られかねない活動をひかえるよう」要望した。

さらにこうも訴えた。「支援を受けるべきでない理由は、①家庭連合が反社会的団体であること、②その反社会的活動の是正が困難になること、③反社会的団体の違法活動にお墨付きを与えかねないこと」。

それにもかかわらず、統一協会を利用し利用されてきたのが自民党と所属国会議員、その他の政党の国会議員たちだ。被害者救済に取り組む全国霊感商法対策弁護士連絡会が、「イベント参加しないでほしい、賛同メッセージを送らないでほしい」と要望しても耳を貸さず、統一協会に「お墨付き」を与えたのだ。

自民党の茂木幹事長は統一協会と自民党は「これまで一切の関係を持っていないと確認できた」と平気でウソをついてきた。岸元首相も安倍元首相も、ともに自民党総裁でもあった事実は変えようがない。つまり、自民党とその国会議員たちは統一協会と「持ちつ持たれつ」だったのである。

統一協会は人権に反することを、平気でやってのけるカルト集団だ。統一協会は多数の関連企業を有していることでも知られ、日本国民から巻き上げたカネが利用されている。

統一協会の「教義」では、日本の統一協会はエバの国として日本国民からカネを巻き上げ、“アダム国”である韓国の統一協会本部に貢ぐことになっている。統一協会のあくどい反社会的行為は、この教えに基づいている。

世界各国の要人が統一協会の会合に出席したりメッセージを送ったりするのも、日本国民から巻き上げたカネの「力」によるものだ。

かつて霊感商法などで社会から指弾され姿を消したかのように見えた統一協会も、今や、より巧妙になり自民党との癒着を深め、姿を現した。どうすればこのカルト集団、反社会的集団からの被害をなくすことができるのか。

TBSテレビの報道特集には元2世信者が登場してこう言った。いま日本社会が騒いでいても、統一協会は「2、3年すれば元通りにできる」と考えているーーと。統一協会は、反人権のカルト集団である。日本国民を食い物にする統一協会の被害をなくすには、カルト集団を規制する法律が必要となっている。たとえばフランスのように。

岸田政権と自民党は民意に逆らい続けている。これでいいのか。

日本国憲法は国民主権を定めた。憲法前文は「主権が国民に存する」と宣言する。国政の最終的決定権は国民にある、というのが日本社会のコンセンサスだ。安倍政権や岸田政権のように、時の政権が何をやってもかまわないわけではない。

国民の意志に逆らい、自分の利益を国民の上におき、憲法を否定する自民党政治に未来はない。

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